錦江町が描く未来、人材育成で変わる地域~「筋肉質な役場」を目指す新田町長のビジョン~
今こそ、変わるべきなのは役場職員ではないか。
地方創生の文脈で注目が高まる「官民連携」ですが、民間の支援を受ける一方で、職員の自発性を失うリスクも指摘されています。そんな中、錦江町の新田町長は「役場職員が変わることこそ地域の未来を変える鍵」と考え、職員が地域の課題に自分ごととして取り組む「筋肉質な職員(役場)」づくりを進めています。そこで欠かせないのが、志を同じくする仲間です。
そこで、今回新たな仲間を募集すべく、東京でイベントを開催しました!(オンラインも同時開催)町長自ら現地に足を運び、熱い思いを皆さんに直接お伝えしました。
本記事では、そんなイベントの様子をお伝えできれば幸いです!
オープニングトーク「筋肉質な役場に向けた錦江町の人づくり」
初めに、新田町長より錦江町の紹介や目指す町の姿、人材育成への思いについて、事例を交えお話がありました。
どこの地域でも叫ばれる人口減少。それは錦江町も例外ではありません。人口が減ると、税収の減少→住民サービスの低下→住民の幸福度の低下→人口減少という負のスパイラルに陥ると言います。
しかし新田町長は、人口が少なくなっても、住民のひとりひとりが「自分で考えて実践し、まちの未来をつくっていける力(=筋肉質)」があれば、住民の幸福度は向上していくのではないかと考え、人材育成に力を入れています。
中でも、子供達へのキャリア教育には注力しており、小学生には将来なりたいと思っている職業の講師から直接話を聞く『お仕事バイキング』、中学生ではまちの資源を活用してイノベーションにチャレンジする『イノチャレ』など、子供の成長過程や興味に合わせた多数のプログラムについて紹介されました。
社会課題を単なる問題ではなく、新たな機会として捉え、行動する。
町長の「町を良くしていきたい」、「人を育てていきたい」という強い思いを感じました。
錦江町×エーゼログループが描く、地域を動かす人材育成の未来
続いて、エーゼログループから職員研修の紹介がありました。
筋肉質な町を目指すには、まずは職員が変わる必要がある。その思いから、錦江町役場では、行政職員が外部からの人材の触媒となり、本気で伴走していける能力を身に付けることを目指した研修を実施しています。
※職員研修については、前の記事で紹介しております!
その上で、職員研修の参加者である小川さんからプロジェクトの詳細や抱く思い、そして直面する課題についてお伝えしました。そんな小川さんのお話を少しご紹介します。
「錦江町には住まいの選択肢が少ないんです。新しく町に来た人は、町営住宅に入るしかないことも多く、この状況をどうにか変えたいと思っていました。また、町には空き家がたくさんあります。どうせなら、それをうまく活用できないかと思い、このプロジェクトを始めました。しかし、住民の方々の中には空き家に対する考えは様々、協力を得るのは簡単ではありません。さらに、事業化を目指すとなると、資金調達や改修技術の面でも課題は多いですが、模索しながら解決策を探しています。」
話を聞いた参加者から、「小川さんのプロジェクトの動きを拝見して、すごいと思った」という感想がありました。
普段の業務に加え、プロジェクトを進めるのは簡単ではありません。それでも、町の課題に対し試行錯誤しながら前に進んでいる小川さんの姿は、筋肉質な職員という言葉がぴったりのように感じます。
トークセッション
最後は、参加者の方と意見交換を行いました。トークセッションには、新田町長、小川さんに加え、エーゼログループ代表の牧さんも参加し、行政×民間×住民(一般の方)という3つの視点から、お話する貴重な機会になりました。
いただいた質問の中から、今回のイベントを企画した背景にもなった「官民連携」に関する質問をご紹介します。
Q.官民連携において大切にしていることは何か?
A.町長:「全てを民間に依頼するのではなく、まずは自分たちで動ける人材を増やすことが大事だと考えている。職員は、住民・公務員という2つの顔を持っているからこそ、どちらの思いも理解できる。それを活かして、力強くいろいろ活動してくれる職員が存在することで、町は力強くなっていくと思う。」
牧さん:「官民連携と言い、実際は民間企業側がおいしい思いをしているケースは少なくないが、我々はそういう仕事はしたくない。人口が少ない自治体ほど、地域の未来を決める力を持っているのは役場の職員で、そのためには役場というチーム作りが重要。その一番大事なところに、我々はしっかり関わらせていただきたい。」
本来の「官民連携」とは、民間がいないと成り立たない関係性ではない。地域の未来を決めるために役場職員が主役となり、民間が足りない部分を補い合っていく関係性なのだと思いました。
最後に
今回のイベントでは改めて錦江町に魅力があることを感じました。参加者の方の中ではイベントをきっかけに初めて錦江町を知った方が多く、イベント終了後「ぜひ錦江町に行ってみたい」という声がありました。また、錦江町内の方もオンラインで参加されていたのです。
皆さん「町長のお話が聞きたい」「町の取り組みについて知りたい」と、東京開催のイベントにも関わらず参加されていました。役場職員もそうですが、町に興味がある住民さんがいること。これも錦江町の魅力だと思います。
そんな錦江町では、共に未来をつくるための仲間を募集しています。詳細は錦江町ホームページよりご覧いただけるので、興味のある方はぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょうか!