「錦江町とCreemaがつくる、クリエイター×地方の新しい未来」

2025.1.6

こんにちは。「錦江帖」編集部です。

11月14日、錦江町で新たに事業を立ち上げる人を募集する「錦江町ローカルベンチャースクール」のプレイベントとして、町と日本最大級のハンドメイドマーケットプレイス「Creema」が共同でイベントを開催しました。

空間の活用に困っている地方と空間が必要なクリエイター。両者がコラボレーションすることで、まちには面白い機運が生まれてくるのではないか ーそんな思いから、始まったこの企画。

テーマは「地方でとことんものづくり」です。

地方での暮らしや活動に関心を持つクリエイターを対象に、錦江町の取り組みやリアルな制作環境を紹介し、都市とは異なる「地方での活動」の可能性や魅力についてお伝えしました。

作品をしまうスペースが欲しい方、自宅にアトリエ兼ギャラリーを創りたい方、地方ならではの素材とコラボして制作の幅を広げたい方などなど。地方で制作をしたい、拠点を持ちたいと考えているクリエイターの方、その上で錦江町の取り組みを知りたい方に読んでいただけると嬉しいです!

これまでのあゆみ

そもそも、錦江町とCreemaはなぜ一緒に取り組みを始めたのか。イベントの冒頭では、仕掛け人である錦江町役場の中島さんと株式会社クリーマの渡部さんが、これまでの錦江町とCreemaの歩みについてお話しました。

渡部:私たちにはクリエイターの皆さんを応援したいという思いが原点にあります。そして、地方との関わりを通じて新しい可能性を見つけていただきたいとと考え、現在は全国の地方と連携を進めています。そんな中、錦江町でアーティストやクリエイターの活動拠点として、リノベーションされた旧神川中学校の一室を提供する取り組みが行われていることを知りました。

中島:最初は正直乗り気ではなかったんです(笑)。Creemaという会社も知らなかったし、錦江町には海と山しかない。そんな場所にクリエイターが来るのだろうかと思っていましたから。でも、話を聞く中で、都会のクリエイターが作品の保管場所や制作時の音の問題で苦労されていることを知りました。錦江町にはスペースならいくらでもある、山の一軒家なら音を気にせず活動できる。これを活用しない手はないと思いました。

渡部:日本各地で空き家や学校跡地は増加していますが、そのままの状態で放置されている場所が多いんです。錦江町のように、早い時期から学校の利活用に取り組んでいる地域は珍しい。また、錦江町の方は「錦江町は何もない」と言いますが、そんなことはなくて。埋もれていたり、気づいていないだけだと私は思っています。そこをクリエイターと一緒なら探していけるかもしれない、そう思いました。

こうして始まったCreemaとの取り組み。
錦江町の小学校でCreemaの作家さんがものづくり体験教室を開いたり、11月末には、都内のクリエイターを招いて旧神川中学校でマルシェを開催したりと、錦江町でものづくりを体験してもらう取り組みを進めています。

トークセッション「地方でクリエイターが活躍できる豊かな環境とは」

続いて、どうしてクリエイターが活躍できる環境が地方にあるのかを深めるべく、中島さん、渡部さんに加え、錦江町と関わりのある革作家のyokiさんに登壇いただき、トークセッションを行いました。ここでは、セッションの一部である「地方で活動する魅力」について、中島さんとyokiさんのお話をご紹介します。

Q:クリエイターが地方と関わる魅力や面白さは何ですか?


yokiさん:人だと思います。僕は1ヶ所に留まれるタイプではなく、日本中旅しながら作品を作っているのですが、楽しかった思い出にはその土地の人がセットなんです。そこから、新しい製作のヒントを貰えることもあったり、その土地ならではの素材に出会えたりする。そういった人との出会いが魅力でもあり、楽しさでもあります。

中島さん:地域の素材を活かしたものづくりができることが魅力だと思います。例えば、錦江町には草木染めをしている方がいます。彼女が言うには、「錦江町には都会にはない植物があり、ここには錦江町でしか出せない色がある」と。私たちには身近すぎて、錦江町にしかないものだと、それが特別だなんてことも知らない人が多い。しかし、クリエイターの視点ではそれが貴重な価値になるのだと教えられました。


身近なものが新しい価値に変わり、何もないと思っていた地域にも、まだまだ知らない可能性が眠っているのかもしれません。

ワークショップ「ヒラマサ・フィッシュレザーを活用を考える

イベント後半では、錦江町の地域資源を活用した作品制作の可能性を探るワークショップが開催されました。今回題材に選ばれたのは、錦江町の特産品であるヒラマサという魚の皮をなめし加工した「フィッシュレザー」です。始めに、錦江町でヒラマサの販売に取り組む傍ら、フィッシュレザーを活用した作品制作に取り組む坂下奈津子さんに、取り組みの背景を伺いました。

坂下さん:錦江町はヒラマサやカンパチの養殖が盛んな地域で、私も普段、魚の加工・販売を行っています。あるイベントでフィッシュレザーを作っている方と出会い、ヒラマサでもできるのではないかと思い開発を始めました。これまでは廃棄されていた魚の皮を再利用し、新しい価値を生み出せる素材になるのではないかと思ったんです。

実際に参加者が触れると、「魚の皮には見えない」「思っていたより丈夫なのに、柔らかい。加工の幅が広がりそう」といった声が上がりました。フィッシュレザーを初めて手にした方も多く、真剣に観察している姿が印象的でした。

続くワークショップでは、ヒラマサ・フィッシュレザーの活用方法について会場全体で考えました。参加されたクリエイター全員が、革を扱っているわけではありませんでしたが、それぞれの立場から「こんな商品どうか」「この部分になら使えそう」「こんな商品が欲しい!」という意見が挙がりました。

挙がってきたアイディアを少しだけご紹介します。

  • 下駄、草履の鼻緒(錦江町や鹿児島県内の宿泊施設で活用できないか)
  • 高級すし店のメニュー表
  • ラグジュアリーホテルインテリア
  • サンダル、スニーカー(錦江町の海とセットでPRできないか)
  • 写真立て
  • 家具   など

フィッシュレザーの可能性がどんどん広がっていく感じがして、聞いているだけでワクワクしますよね!

今回のイベントが、参加者の皆さんにとっても『地方でも活動できる』『地方だからこそ楽しめる』と思うきっかけになっていれば嬉しいです。

最後に〜錦江町での活動に興味がある方へ〜

「挑戦はしてみたいけど、いきなり地方で活動を始めるのは不安」。そう考える方も多いのではないでしょうか。錦江町ではそんな挑戦を応援する「ローカルベンチャースクール」という独自の取り組みがあります。

●ローカルベンチャースクール詳細はこちら

https://a-zero.group/lvs-kinko

現在、廃校をリノベーションした旧中学校を拠点として、錦江町でものづくりに専念するクリエイターを募集しています。錦江町の「人」とともに、皆さんの挑戦を歓迎し、全力で応援します。

広々とした制作環境が欲しい方、地域資源を活かして作品の幅を広げたい方など、

ご興味のある方は、サイト内の「お問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください!

私たちと一緒に、“最初の一歩” 踏み出してみませんか?