錦江町で紡がれる挑戦と未来、そして希望─第2回「錦江町ローカルベンチャースクール2024」一次選考合宿が開催されました!

2025.2.26

今年で2回目となる錦江町ローカルベンチャースクール(以下、LVS)。
対象は「好きなこと」や「やってみたいこと」を錦江町で事業にしたい方。ビジネスプランの精度よりも自分の中にある「なぜ起業するのか」「何を実現したいのか」という思いをとことん突き詰めることを重視し、錦江町の役場職員やメンターが参加者と全力で向き合うプログラムです。

地域おこし協力隊としての着任を希望する方には審査も実施しており、最終選考を通過すると最大3年間の事業支援を受けることができます。

本記事では、2025年1月11〜13日の2泊3日で開催した一次選考合宿の実施内容や会場の雰囲気をお伝えできたらと思います。今回は参加できなかった方、今後参加してみたい方の検討材料になれば幸いです!

8名の挑戦者による初回プレゼンテーション

今回の合宿には、錦江町で事業を実践中の事業者3名と、新たに錦江町での事業立ち上げを目指す町外在住の方5名、計8名の皆さんが参加されました。町外からの参加者には関西や北陸在住の方もおり、多様なバックグラウンドを持つ方々が集まりました。

そしていよいよ始まった、錦江町LVS一次選考合宿。

はじめにお一人ずつ、事業ブラッシュアップに向けてプレゼンテーションを行っていただきました。

参加者の事業内容は体験型農業、ドキュメンタリー制作、廃校活用、整体院、サロン…と本当に多種多様。みなさん緊張しながらも、自分の新たな挑戦と錦江町への想いをプレゼンされていました。

プレゼンテーションの後には、研修講師を交えた振り返りと講義を実施。講師からは、事業を考える観点として10個の問いが投げかけられ、参加者と対話しつつ、講義が進みました。問いは、LVSのみならず、生きていくにあたって考え続けたいものも多くあり、学びの深い場となりました。

参加者の皆さんは、自分のプレゼンを振り返りながら、講義内容をメモしたり、質問したりしていて、LVSにかける想いの熱さを感じました。また、この時間で参加者同士の交流が生まれ、緊張した空気が少しほぐれたようでした。

自分と事業に向き合う対話の時間

講義を受け、合宿で考えるべきポイントを学んだあとは、メインコンテンツであるメンタリング(メンターとの対話)の時間。メンターには、ローカルの起業に関して豊富な経験や知見を持つメンバーや町をよく知る役場職員、金融機関の行員など、計14名の方が参加されました。さらに錦江町長である新田町長も参加してくださり、去年よりさらにパワーアップしたメンター陣となりました。

メンタリングの時間では、参加者はメンターが待つ10のテーブルを25分ずつ回りながら、「その事業で本当にやりたいことは何か?」「どうしてその事業をやりたいのか?」といった問いをメンターと共に深く掘り下げていきます。

起業はあくまで、自分がやりたいことを実現するための手段であり、目的ではありません。だからこそLVSでは、事業を立ち上げ、続けていくための原動力や土台となる「想い」や「情熱」を深堀り、より明確にすることを大切にしています。

そのため、メンタリングを行う中で新たな課題が生まれたり、言葉に詰まったりする場面もしばしば。ですが、参加者は事業と自分の心に向き合い、メンターはそれに寄り添うことで、より厚みと深みのある事業内容にブラッシュアップされていきます。

終わったときにはメンタリングに集中しすぎてぐったりされている方もいらっしゃいましたが、どこかスッキリした表情も見受けられ、
「事業はもちろんだけど、人生にこんなに向き合うとは思わなかった」
「どのメンターも、温かながらも的確なフィードバックやアドバイスをくれて、事業のイメージが明確になった」
などの感想をいただきました。

また、1日目の締めくくりには、参加者、メンター、運営スタッフ全員で懇親会を行い交流を深めました。このころには、みなさんの緊張もほぐれ、錦江町の美味しいご飯やお酒とともに、賑やかで豊かな時間を過ごされていました。中には錦江町への想いや、ご自身のやりたいことを熱く語られている方もいらっしゃいました。

1日目は緊張の初プレゼンから始まり、メンタリング、懇親会と内容の濃い1日となりましたが、参加者の熱い想いと、それを温かく迎え入れる錦江町の器の大きさを感じた初日でした。

新田町長が語る、錦江町の今と未来

2日目の午前中には、新田町長より錦江町の現状や今後の展望、そのための施策について直々にプレゼンテーションしていただきました。

このような場に町長自ら参加される本気度や、「子や孫へ、希望あふれる未来を創りつなぐまち」という基本理念のもと、農業、福祉、教育などあらゆる分野で施策を行う実行力。そして理念や施策にかける想いをご自身の言葉でまっすぐに届ける情熱。

そこには、錦江町の未来を想い、町に新しい挑戦の渦をつくろうとするリーダーの姿がありました。(この記事を読んでくださっているみなさんにも新田町長の魅力をお伝えしたく、まずはぜひこちらの記事を読んでいただきたいです!)

午後には1日目のメンタリングの続きを実施した他、自由時間も設けられ、各々が最終プレゼンに向けて準備をしていました。中には、参加者同士でメンタリングの内容や悩んでいることなどを共有しあっている方もいて、「仲間感」が高まっているようでした。

さらに、町長に直々のメンタリングを申し込む方もいて、町民と町長が一緒に、錦江町や事業について熱く語り合う場面もありました。

2日目は、メンタリングがメインでしたが、その中でも参加者同士の関係性が生まれたり、町民や行政などの垣根を超えた対話が行われたりして、心温まる場面が多く見られた1日でした。また、夜は自由解散ではありましたが、どの参加者も最終プレゼンに向けて遅くまで作業されており、皆さんの「本気度」もより高まっているように感じました。

最後のプレゼンテーション、さらなる挑戦へ

3日目は、いよいよ一次選考会最後のプレゼンテーション。合宿を通して変化したことや新たな気付き、事業に対する思いを改めて言葉にしてもらいました。また、メンター陣も、3日間真剣に参加者と向き合ったからこそ、緊張感を持って温かく見守りました。
7分という短い時間でしたが、どの参加者もこの3日間で学び、深めた事業と想いを全力で言葉にしてくださいました。また、1日目より、事業をしたい理由や事業内容が明確になった印象を受け、皆さんが本気でこの3日間を過ごしたことが伝わってきました。

プレゼンテーション後には選考会が行われ、地域おこし協力隊として着任を希望する参加者には審査結果が、審査対象ではない方にはフィードバックが伝えられ、一次選考合宿は幕を閉じました。

錦江町というフィールドでなぜ事業がしたいのか、事業において大切にしたいことは何なのか、事業を通じてどんなことを実現したいのか、そして、「自分自身」はどうなりたいのか、言葉にすることは簡単ではありません。

ですが、この3日間で、参加者一人ひとりが事業と人生に向き合い、たくさん対話と思考を重ねたことが、プレゼンテーションに現れているように感じました。審査結果としては、審査対象4名のうち3名が通過。
結果とフィードバックを受けて、これから約1か月間、ご自身で事業ブラッシュアップを進めていただき、2月の最終選考会で最後のプレゼンテーションを行うことになります。

ローカルベンチャースクール一次選考合宿を終えて

LVSの一次選考合宿は、参加者はもちろん、メンターのみなさんも含む全員が、事業と人に本気で向き合った3日間でした。また、LVSを開催したからこそ生まれた「挑戦」と「未来」があったように思います。そしてきっと、こんなふうに街のことを思う人が繋がり、その輪が広がることで、町に「希望」が生まれていくのではないでしょうか。

LVSは今回で終わりではなく、2月の最終選考、そして錦江町の未来へと繋がっていきます。今回生まれた多くの想いや絆が、今後も錦江町と人をつなげ、共に熱を帯びていくことを願っています。